紫波町視察③ ツバメ倉庫~アイデアと合理性が生む建物再生~
2026/02/27
十字路の一角にある「ツバメ倉庫」を視察させていただきました。
もともとは整備工場だった建物をリノベーションし、現在は事務所やシェアオフィスとして活用。
第一印象は、
「大きく壊して新しくつくる」のではなく、
「今あるものを上手に活かしている」ということ。
派手さはありませんが、とても合理的で、学びの多い再生事例でした。
必要なところだけ快適に。「入れ子構造」という工夫

建物全体をフルリノベーションするとなると、当然ながら大きな費用がかかります。しかしツバメ倉庫では、建物の外側(既存の骨組み)はほぼそのまま残し、広い屋内の中に断熱された“箱”を新たにつくるという方法を採用しています。
これを「入れ子構造」といいます。
つまり、
・仕事をするスペースだけをしっかり断熱して快適に
・それ以外の広い空間は、倉庫やイベントスペースとして活用
という、とても理にかなった設計です。
すべてを完璧に整えるのではなく、「必要なところにだけコストをかける」。
この割り切りが、事業としての現実性をしっかり支えています。
地域にひらかれた、やさしい場所
視察当日は、レンタルスペースにコーヒーショップが出店していました。
倉庫の中にふわっと広がるコーヒーの香り。とても心地よい空間でした。
ここは単なるオフィスではありません。地域の方が気軽に立ち寄り、自然に会話が生まれる“交流の場”にもなっています。また、建物の前は子どもたちの通学路になっており、元気な声が響いていました。
閉ざされたビジネス施設ではなく、街の風景の一部として溶け込んでいる点も印象的でした。
シンプルな発想が、街を動かす
元整備工場という、役目を終えた建物。
そこに施されたのは、
・断熱された箱を置く
・余白の空間を地域に貸し出す
という、とてもシンプルなアイデアです。
しかしその組み合わせが、
✔ 事務所としての収益性
✔ 地域とのつながり
✔ 継続可能な運営
を同時に実現しています。
大きな予算をかけることだけが再生ではない。
発想と運営の工夫次第で、建物は再び息を吹き返すということを学ばせていただきました。
正直に言うと、「ここまでシンプルでいいのか」と驚きました。
でも同時に、「だからこそ続くのだ」とも感じました。
建物をきれいにすることよりも、
人が集まり、使われ続ける仕組みをつくることの方が大切なのだと実感しました。
空き家や遊休不動産の活用を考えるとき、つい「どれだけ立派なものにするか」を考えてしまいがちです。しかし本当に必要なのは、「どうすれば無理なく回り続けるか」という視点が大切だと学ばせていただきました。
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