「広さ」は作れる。視覚と空間の法則
2025/06/20
家づくりを始める際、多くの方がまず気にされるのが「坪数」ではないでしょうか。
しかし、MIURA設計室が考える家の「広さ」とは、単純な数字だけで測れるものではありません。
たとえば、30坪の住まいであっても、設計の工夫ひとつで35坪、あるいはそれ以上の開放感を感じさせることは十分に可能です。
その鍵を握るのが、設計において重要視している「視覚的な広がり」です。
今回は、数字としての広さに頼らず、設計の知恵と工夫で「心地よい広がり」をつくり出すポイントについてご紹介します。
「視線の抜け」をつくり、空間を拡張する
空間を広く感じさせる第一のポイントは、「窓」の配置計画です。
単に窓を設けるのではなく、窓から外の景色が自然に目に入るように設計することで、視線が遠くへと抜け、空間に物理的な面積以上の奥行きが生まれます。
具体的には、以下のような工夫を取り入れています。
・リビングとダイニングを一直線で見通せる位置に窓を配置する

・廊下の突き当たりに窓を設け、視線を止めない

・扉を開けた瞬間、外の緑や空が飛び込んでくるようにする窓

視線が自然と屋外へ流れることで、室内と外部の境界が曖昧になり、豊かな開放感を得ることができます。
「風が抜け、光が差し込み、視線が伸びる」
建物の形状を決める際、どの方向にこの「抜け」をつくるかを計算することで、暮らしの質は大きく変わります。
天井高に「抑揚」をつけて開放感を強調する
空間のボリューム感を操作するには、「天井の高さ」も重要な要素です。 しかし、ただやみくもに天井を高くすれば良いというわけではありません。
大切なのは、空間ごとに高さに「抑揚(メリハリ)」をつけることです。
たとえば、落ち着きたい場所の天井はあえて低く抑え、リビングなどのメイン空間は吹き抜けにする。 このように「低い場所」をつくることで、高い場所の開放感が対比によって強調され、よりダイナミックな広がりを感じることができます。
また、構造材(梁)を視線の抜ける方向に合わせて整然と配置することも、空間に奥行きと一体感を持たせる有効なテクニックです。構造そのものを美しく見せることで、空間に規律と軸をつくり出します。

家具を「建築の一部」として計画する
間取りを考える際、家具選びは後回しにされがちですが、実は非常に勿体ないことです。 家具の配置まで緻密に計算された間取りこそが、真の暮らしやすさを生み出します。
たとえば、寝室のベッドの位置とサイズを設計段階で決めておけば、
・照明スイッチや
・コンセントの場所を、
使い勝手の良い最適な位置に設けることができます。
また、動線や視線を遮らない家具配置を計画することで、無駄なスペースが省かれ、空間を有効に使うことができます。
「家具を置くための箱」をつくるのではなく、「家具と調和して完成する住まい」をつくる。
壁との余白や動線を丁寧に設計することで、日々の暮らしに無理がなくなり、洗練された快適さが生まれます。
「数字」ではなく、「体感」から考える家づくり
こうした「広がり設計」は、設計者の経験と感性が大きく問われる領域です。
限られた坪数であっても、視線、光、風の流れといった目に見えない要素を丁寧にデザインすることで、数字以上に豊かな空間を実現することは可能です。
「土地が広くないから、良い家はできない」
もしそう思われているとしても、決して諦める必要はありません。
本当に大切なのは、
「どれだけ広いか(数字)」ではなく、「どう暮らすか(質)」
です。
視線の抜け、光の移ろい、天井の高さ、家具の納まり。
その一つひとつにこだわることで、数字では測れない「本質的な暮らしの心地よさ」をご提案いたします。
まとめ
・家の真の広さは、「坪数」という数字だけでは決まりません。
・設計の工夫次第で、奥行きや開放感といった「体感する広さ」は大きく変わります。
・「視線の抜け」「天井の抑揚」「家具計画」が広がりを生むポイントです。
・数字ではなく「体感的な心地よさ」を追求した家づくりを大切にしています。
「広い土地がないから理想の家は難しいかもしれない」
そのように感じている方にこそ、ぜひ「広がり設計」を体感していただきたいと考えています。
坪数という数字にとらわれすぎず、「暮らしの質」を最優先にした家づくり。
これからも、お客様の人生に寄り添うご提案を続けてまいります。
皆様の家づくりのヒントになれば幸いです。
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MIURA設計室
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